赤城のふもとから山歩き

赤城のふもとに居をかまえ、山や花や家族のこと。

フィルム写真録 『あの夏』

 

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会社からの帰り道、街路樹の百日紅が綺麗に咲いていた。

 

 

おそらく19年、20年…そのくらい前に撮った写真。

前橋 臨江閣。

      

その時一緒に撮り歩いた写真屋のおじさんは、もういない。

 

 

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白砂山 花の登山道を歩く

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この夏、白砂山に行きたかったのには理由がある。それは、先月登った稲包山と一対の計画だったからだ。

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群馬県は、長野、新潟の県境にある稜線トレイルを整備中だ。それは、みなかみ町の土合登山口から白毛門、朝日岳、一ノ倉岳、谷川岳、平標山、稲包山、白砂山、横手山四阿山から鳥居峠を結ぶ壮大なロングトレイル。完成すれば、日本最長となる。

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ゴゼンタチバナ(御前橘)。

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初めて見た…青紫色のギンリョウソウ(銀竜草)。

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マイヅルソウ(舞鶴草)。

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エンレイソウ(延齢草)。

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初めましての、タケシマラン(竹縞蘭)。

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ユキザサ(雪笹)。 

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ミツバオウレン(三葉黄蓮)。 

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このロングトレイルのうち稲包山から白砂山までは未整備区間だ。地元紙である上毛新聞で、以前この区間を笹薮を踏み分け調査する様子に密着した記事が連載された。それは、NHKのドキュメンタリー番組にも匹敵するほど、とてもワイルドで浪漫に満ちた記事だった。

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妻と理想…もとい。ツマトリソウ(端取草)。覗き込むような様子が可愛らしく、こんなアングルに(笑) 

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くるんっとした様子が何とも愛らしいクルマユリ(車百合)。 

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記事を読んだ日から、その稜線を稲包山と白砂山の両面から見たい…そう思っていた。稲包山同様、白砂山山頂までの道のりも、いくつものピークを越えていく、なかなか歩きがいのある行程だ。しかし、その連なる頂が、ずっと先まで伸びていく様子には、この山深い上越の静かな力強さと美しさがある。

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ハクサンチドリ(白山千鳥)。  

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白砂山山頂。この先は、未整備区間のため、立入禁止。

上ノ間山、忠次郎山、上ノ倉山と続き、南に緩やかに流れ稲包山へと結ばれる。

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ニッコウキズゲ(日光黄萓)。 

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f:id:JKazy:20170722135821j:plainコゴメグサ(小米草)。 

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トリアシショウマ(鳥足升麻)。

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山頂でおにぎりを食べていると、新潟から来たという75歳の女性が登ってきた。聞けば、御主人を置いてきたいう(笑)

来た道が登り下りの連続だったということは、当然ながら帰り道も登り下りの連続。あまり山頂に長居をしていられず、女性よりも先に下山を開始した。猟師ノ沢ノ頭から下るところで御主人と往きあう。77歳…元気だなぁと思う反面、ここから山頂までコースタイムは往復1時間25分…大丈夫かなぁと心配も。 

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ウツボグサ(靭草)。 

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マルバダケブキ(丸葉岳蕗)は、咲き始めは控えめなんだな。ぷっくりとした蕾。  

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ハクサンフウロ(白山風露)とニガナ(苦菜)。

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ヤマゼリ(山芹)の仲間かな?

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オトギリソウ(弟切草)。本種を原料にした鷹の傷薬の秘密を洩らした弟を、鷹匠の兄が切り捨てたという伝説から名前がついたそうだ…。

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ガクのピンク色が美しいイタドリ(虎杖)。この漢字で、こう読む? 驚き! 

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随分前に登った八間山の方は、雲隠れ。 

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コケモモ(苔桃)に実がなってる!花も可愛いけど、実もいいな。 

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堂岩山に登る途中でふりかえる。一番高く見える頂は偽ピーク(笑)

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朝は見えなかった野反湖が、木々の間から垣間見えた。 

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帰りも花の撮影に夢中になりすぎ、予定の下山時間から30分ほど遅れてしまった。この時期の登山計画には、もう少し余裕を持たせた方がいいのかもしれない。

山頂付近で会った老夫婦のことが気に掛ったが、驚いたことに私の約15分後に下山してきた。なんと健脚なことか!実は、ふたりの姿を確認できないか気にしながら下山してきた。私の方がよほど足が遅かったようだ…がんばれ、自分!

 

 

 

<今日のルート>

自宅4:20~白砂山登山口駐車場6:20/6:30~地蔵峠7:20~堂岩山9:30~猟師ノ沢ノ頭10:02~白砂山11:12/11:32~猟師ノ沢ノ頭12:40~堂岩分岐13:15~地蔵峠15:10~駐車場15:45

 

<参考文献>

H28.10.2発行 ぐんま広報 「ぐんまのアウトドアスポーツ②」

栃の葉書房 別冊趣味の山野草 「山草図鑑」  

 

 

 

 

 

フィルム写真録 『雫』

 

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月刊カメラマン ’94.4 大学・一般の部 銀賞

NikonFM Ai Nikkor 50mm f1.4 データ不明 フジカラーリアラ

 

 

かつて撮ったフィルム写真をデジタル化して保存することにしたので、ブログにもアップしていこうと思う。

この頃は、写真部で借りた一眼レフのカメラが嬉しくて仕方がなかった。

撮影場所は、富岡市にある貫前神社

写真の色が褪せていてプリントしなおそうかと思ったが、この経年劣化もまたいいか…と。

ブログ掲載にあたり、賞をくださったモーターマガジン社に了解を取るため恐る恐る電話をした。

「大丈夫ですよ!できれば、雑誌の名前とか入れていただけると嬉しいですけどね~」との返事。

どこまで載せるか…悩んだけど、大昔だし(笑)、みんな載せちゃえってことで…。

 

 

 

 

 

 

八ヶ岳 白駒池からニュウへ

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めまぐるしく変わる天気予報…明日の休みは何処に行こうかと、前日の夜になっても決まらないでいた。山をやめて古代蓮の写真を撮りに行こうかとも思ったが、何となく気分が乗らない。そんな時、あるヤマレコの題名が目に留まった。

『天気が悪い日は「にゅう」ってことで🎵』

2012年07月15日。だいたい時期も同じだな…そう思って開いてみる。そこには、見覚えのあるアイコン。hiromuさんだ!

これは、もう八ヶ岳が私を呼んでるでしょってことで、行き先はニュウ。

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ハクサンフウロ(白山風露)

前橋を出るときには小雨がぱらついていて、行って雨なら八千穂高原自然園を歩こう…そう思っていた。しかし、八ヶ岳に近づくにつれ青空もちらり。カーステレオからは、学生の頃好きだったChicagoの「Hard to Say I'm Sorry  素直になれなくて」。あの時と同じ、聞いたままをカタカナに直したテキトーな英語で口ずさむ。

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麦草峠の駐車場は、10台ほど停まっていた。身支度を整え、いざ出発。

雨露をまとったシャクナゲ(石楠花)は、虫達にモテモテ。

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吉永小百合のCM効果か…白駒池の駐車場の方から続々と観光客が降りてくる。休日ともなれば、もっと多いだろう。

さすが、八ヶ岳

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白駒池から離れ、苔の森へ入ると、あたりは急に静かになった。ほかに歩く登山者もいない。ここ数日の雨で登山道はぬかるんでいるだろうと思っていたが、その心配はさほどでもなかった。

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森の中は、鳥たちのさえずりが響いていた。人に慣れているのか、あまり姿も隠さない。

このルリビタキは、雌か雄の幼鳥かで迷った。翼角(翼の付け根の部分)に青みがあるので、雄の幼鳥ではないかと思う。     

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青々とした苔に覆いかぶさるように這う根…森は悠々と生命を育んでいる。

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ほかの山で苔むした場所に出ると八ヶ岳のようだと思うことがあるが、実際に訪れてみれば八ヶ岳のそれは別物だ。八ヶ岳八ヶ岳でしかない。 

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イワツメクサ(岩爪草)

山野草を撮るとき、必ず悩むことがある。咲いている情景を撮るべきか、それとも花そのものの姿を追うべきか…時として、どちらも捨てがたい(笑)

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あの双耳峰は、天狗岳!目指すは今年かな?来年かな?そんな思いを抱きながら、ニュウ山頂で、おにぎりを食べる。

今日のおにぎりは、ふるさと納税の返礼で和歌山県田辺市より頂いた大きな紀州の梅干しいり。美味しい…ふるさと納税、万歳! 

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今日も午後から大気の状態が不安定になるという。麓にあった雲が上昇してきた。その先には、積乱雲。 

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ゴロゴロなり始める前に、下山開始。 

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コケモモ(苔桃) 

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ずっと会いたかったオサバグサ(筬葉草)。機織りの櫛の歯のような部分=筬に葉の部分が似ていることが名前の由来。 

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白駒湿原で、ニホンジカが草を食んでいた。人間を見ても、まったく動じる様子がない。麦草峠では植生を保護するために侵入を防ぐネットのゲートがあったが、なかなか難しいのだろう。

鹿もありがたく食せばいいのだ。どんな調理法が美味しいのだろう…と、思わず考えてしまった。

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もののけの森…「こだま」が、ひょっこり顔を出しそうだ。 

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青苔荘の前にベニバナイチヤクソウ(紅花一薬草)の群生。ひとつの薬草で多くの病気に効くことから一薬草というらしい。撮影をしていて、名前を尋ねられたものの答えられなかった…こんな時に、さらっと名前が出てくるようにしたいが、最近の記憶力低下が悩みの種だ。名前とその由来も知ることで、なんとか記憶の助けにしたい…。  

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黒曜の森を抜け、白駒の奥庭でホシガラスが大きな声で鳴いていた。毛が少しぽわっとしている…まだ、幼いのかもしれない。まるで必死に母を呼ぶような声だった。 

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麦草ヒュッテ前でノビネチドリ(延根千鳥) 。

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朝、挨拶をしたハクサンフウロに、ただいまと声をかけ本日おしまい。

 

 

 

 

<今日のルート>

前橋6:10~麦草峠駐車場9:03/9:16~白駒池10:05~白駒荘~ニュウ山頂11:35/12:10~白駒池13:35~青苔荘~駐車場14:30

 

前橋 七夕まつり

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前橋の七夕まつり。

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もともとカメラ片手にぶらぶらしながら、スナップ写真を撮るのが好きだ。

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アーケード街に西日が差し込んで、もあっとした空気が何だか気怠い。

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それでも最近は山や花の写真を撮ることが多かったから、古巣に戻った気分で楽しかった。

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君の撮る写真は意味不明だなんて言われたこともあったけど…

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もう、いいの。好きに撮るから(笑)

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昔、友人と写真展をしたときに、全然知らない人から「あなたの撮る写真、好きです」って言ってもらえた。

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それでいいんだって、今は思ってる。

 

 

おまけ…

 

 

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17年前、同じ七夕まつりで。

あの頃使っていたカメラは、たぶんNikonF3。フィルムはベルビア50って感じかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

尾瀬 花咲く至仏山 <後編>

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朝は涼しく快適だったが、登り始めの樹林帯から蒸し暑い…。

先日、父が山に持っていくといいと分けてくれたクエン酸の粉末を飲み水に混ぜてきた。甘味はなく、さっぱりとして美味しい。クエン酸は疲労回復にも効果があり、筋肉の痙攣などを予防する効果があるらしい。

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ユキワリソウ(雪割草) 

樹林帯を抜けると蛇紋岩の岩の道となる。登山道は昨日まで降っていた雨水の通り道になっていて、滑りやすい。所々木道が崩れかけている場所などもあり、確かに下りに使うには危険だろう。

f:id:JKazy:20170708114049j:plainジョウシュウアズマギク(上州東菊) 

f:id:JKazy:20170708114117j:plainオゼソウ(尾瀬草)  

そこそこ急登な山頂までのコースタイムは、3時間。時折、ベンチが設けられていて、振り返れば尾瀬ヶ原と燧ケ岳が望める。燧ケ岳の左奥には会津駒ヶ岳が見えるはずだが、今日は雲隠れしているようだ。代わりに左に目をやれば、まだ雪残る山々を垣間見ることができた。あれは越後駒ヶ岳か、八海山か…  

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ハクサンイチゲ(白山一華) 

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撮影時はキスミレ(黄菫)かと思っていた。帰宅後、調べてジョウエツキバナノコマノツメ(上越黄花の駒の爪 )という長~い名前だと判明。駒の爪ということは、馬の蹄ということか…どの辺が?(笑)

花の漢字名も併記しているのは、こういう面白さを味わいたいという思いからだったりする。

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ムラサキタカネアオヤギソウ(紫高嶺青柳草) 

こちらもなかなか長い名前。シュロソウ(棕櫚草)に似ていると思っていたら、やはり仲間だった。緑の中で、赤紫色が美しい。我家の庭にもこんな葉色のヒューケラを植えてみようか…結局、スコップは新しいのを買ったことだし(^^ゞ

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山の鼻にあるビジターセンターで頂いた「至仏山マナーブック」によると、蛇紋岩の主成分は鉄とマグネシウムなので、一般的に植物は生育しにくく、ホソバヒナウスユキソウ(細葉雛薄雪草) など特殊で貴重な植物が生育しているそうだ。

ちなみに、このマナーブックは無料だ。山の形成の歴史や主だった植物も紹介されているので、なかなか面白い。初めて至仏山に登る方に、オススメだ。

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ハクサンチドリ(白山千鳥) …かなりひねくれた形だと思うのは私だけだろうか。ひねくれ者同志、親近感を感じていたりする。 

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残雪。小屋の方か…雪切りをしてくださっていた。念のため、軽アイゼンも付けたが雪はすでにシャーベット状で利きが悪い。足をフラットに置くように心掛けた。雪上訓練の知識が、役に立つ。  

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もう1箇所、雪渓上を下る場面があった。こちらはシャベルでステップが切ってあったので、アイゼンは付けず慎重に渡った。

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ショウジョウバカマ(猩々袴) が斜面に群生している場所もあった。なかなか絵にするには難しいけれど、そういう場所に出会うとテンションもあがる。

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イワハタザオ(岩旗竿) 

山頂では20名ほどの登山者が 、昼食をとっていた。私もその中に混じって、持参したワカメ御飯のおにぎりをザックの中から取り出した。その時だった。後ろから「割箸を忘れた!」と叫び声が…見れば、長男といくつも歳のかわらなそうな若い男性がカップ麺を片手に頭を抱えている。何だかほってはおけなくて、いつも予備で持っている割箸を差し出した。

f:id:JKazy:20170708114401j:plain昼食の後、いつものように珈琲を淹れ、デザートの和菓子をいただいてから鳩待峠に向かって下山を開始した。尾瀬ヶ原方面とは反対側にあたる至仏山の表情は、とても力強く素晴らしいものだった。その姿に見入りながら歩いていると、先ほどの割箸の若者が後ろからやってきた。「さっきは、ありがとうございました!」と、さわやかな笑顔と共に礼をのべてくれ、こちらも温かい気持ちになれた。

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これから向かう、小至仏方面。 

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タカネシオガマ(高嶺塩竈

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山の写真を撮ろうとカメラを向けていると、ちょうど赤い帽子とザックの女性が入ってくれた。こんなタイミングに出会うとき、思わず撮りながらニンマリしてしまう。 

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一輪だけ咲いていたタカネバラ(高嶺薔薇) 。

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f:id:JKazy:20170708114602j:plainいくらなんでも7月に桜が咲いているとは思わなかった…ミネザクラ(峰桜/別名:タカネザクラ高嶺桜)  。

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悪沢岳の先に見える笠ヶ岳。気になるなぁ…来年は、あちらに行ってみようか。 

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イワナシ(岩梨) 

先月の浅間隠山で行われた講習会で、下りのストックの使い方が下手だと指摘された。今日は下山で意識しながらストックを使ってみる。突く場所と足の運び方…最初は違和感があったものの、最後には随分スムーズにこなせるようになってきた。これなら、確かに膝への負担が軽減しそうだ。 

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今シーズンは見逃してしまったと思っていたシラネアオイ(白根葵)に会えた。先に撮影している男性がいたので、少し後方で待機していた。撮影を終えた男性が「今日は抜きつ抜かれつ来ましたね」と声をかけてくれる。聞けば度々尾瀬には訪れていらっしゃるようで、ちょっぴりどんな写真を撮っているのか気になった。 

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白い花の場合はシロバナとかつくので、アカハナとかクロバナとかつくのかと思っていたが、エンレイソウ(延齢草) でいいらしい。ということは、この花色が元色ということか…

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シナノキンバイ(信濃金梅) 

鳩待峠に下りてきたら、あれを食べなきゃ …そうそう、花豆ソフト。御当地アイスで色々な味のソフトクリームが出ているが、私の中でナンバーワンは間違いなくこの花豆ソフト。みなさん、ネーミングにひるまず一度ご賞味あれ!

 

 

 

<今日のルート>

前橋4:00~尾瀬第一駐車場(1000円/1日)5:20/5:45~代替輸送バスor乗合タクシー(大人980円・小人490円)~鳩待峠6:10/6:15~山の鼻7:27~ビジターセンター~公衆トイレ~尾瀬ヶ原入口付近~登山口7:55~至仏山山頂11:25/11:55~小至仏山12:55~オヤマ沢田代~原見岩~鳩待峠14:55/15:20~バス~駐車場

花豆ソフトクリーム 400円 

 

 

 

 

 

尾瀬 花咲く至仏山 <前編>

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群馬に住んで27年。尾瀬ヶ原には何度訪れたのかわからないほどなのに、至仏山には一度も登ったことがなかった。7月1日に山開きを迎え、台風一過の青空を期待して出かけてみた。

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ズダヤクシュ(喘息薬種:「ズダ」とは長野地方の方言で喘息のこと。その薬草という意味。)

 

鳩待峠で乗合タクシーから降りると少しひんやりとしたが、長袖シャツ1枚でも寒いと感じるほどではなかった。見慣れた「尾瀬」の看板前を歩きだす。

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至仏山東面登山道は植生保護と利用者の安全確保のため上り専用となっているので、まずは山の鼻へ向かう。

昨夜も雨が降っていた。雨露に朝の光が差し込み、植物が瑞々しく輝いて見えた。

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タカネアオヤギソウ(高嶺青柳草)

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まるで線香花火のような可憐な姿のカラマツソウ(唐松草)。

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ウワミズザクラ(上溝桜)は満開になるとブラシのようになるという。このくらいの咲き具合が可愛らしくて好き…かな。

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秋には赤い実をつけ、葉も美しく赤く染まるというツリバナ(吊花)。  

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まさかの山の鼻公衆トイレ脇に咲いてたノビネチドリ(延根千鳥)…尾瀬ではハクサンチドリよりも数が少ないそうだ。

至仏山にはトイレがないので、ここが最後のトイレとなる。

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オオナルコユリ(大鳴子百合)

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予定より早く鳩待峠に到着できたので、ワタスゲ(綿菅)の咲く原のほうまで少し足をのばしてみた。 

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湿原の周りを縁取るように咲く白い花はズミ(桷・酸実)。ズミは花の付き方に当たり年と外れ年があるというが、今年はどうやら当たり年のようだ。

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山の鼻から至仏山登山口に向かう木道の周りには、タテヤマリンドウ(立山竜胆)があちらこちらに空の青さを受けるように咲いていた。 

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タテヤマリンドウに交じって、ピンク色の可愛らしい姿がチラホラ…ヒメシャクナゲ(姫石楠花)だ。 

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ミツガシワ(三柏・三槲)

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クモイイカリソウ(雲居碇草)は花期が比較的早いというが、今年は雪が多かった影響なのか、登山道脇で時折見ることができた。

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花言葉、わたしの心の光…ナツトウダイ(夏灯台)。

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ミヤマキンバイ(深山金梅)。

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今日はチングルマ(稚児車)が、水先案内をするかのように行く先々で群生して咲いていた。 

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手前左の花のように花弁が5枚以上あると「大」じゃないから違うのか?と、いつもちょっとしたパニックになるダイモンジソウ(大文字草)。 

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山の鼻から3分の2ほど上がって来たところで、それまで雲がかかっていた燧ケ岳の山頂が姿を現した。来月のハテナのオフ会に参加する時には、あちら側から尾瀬ヶ原越しの至仏山を見たいと思う。

 

 

オフ会の詳細はこちらから…

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この山歩きは種類も様々に、たくさんの花に出会えた。で、気が付けば膨大な数の写真を撮っていた(汗)。何とか選別したものの、それでもなかなかの枚数になってしまったので、2部構成。よろしければ、後編もおつきあい下さいませ。