赤城のふもとから山歩き

赤城のふもとに居をかまえ、山だより、花だより

尾瀬 燧ケ岳と山友と。

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尾瀬沼で開催されるHatena山ブログのオフ会へ参加する前に、7月に至仏山から望んだ燧ケ岳に今度は登ろうと大清水の駐車場で車中泊した。起きだした時は高曇りであったが、予報は午前中、雨。

とりあえず、カメラもバッグごとザックにしまった。バスは利用せず歩き、一ノ瀬まできたところでポツポツとあたり始める。バスの終着地点であるテントの下でレインウェアを着始めた時…雨足が一段と強くなり、ザーザーとテントに叩きつけるような雨へと変わった。

まいったな…

それでも何組か、雨の中へ覚悟を決めて出て行った。もう少し、もう少し弱くなるのを待とう…なかなか歩き出せない。

一台のバスが到着した。見覚えのある顔…schenさんだ!

彼も燧ケ岳に登ろうと考えていた。少し小降りになった空を見上げ、とりあえず沼まで行こうと一緒に雨の中を歩き始めた。

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沼に到着した時には、青空が広がり雨で洗われた燧ケ岳がくっきりと姿を現していた。当初の計画より1時間遅れだが、あきらめた頂を目指しても3時過ぎには小屋に着けるはずだ。

行っちゃう?そんなschenさんの明るさに背中を押され、一緒に燧ケ岳を目指した。

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しかし、登山道は時に沼、時に沢と化し悪路そのもの!精神的にも体力的にもハードな登りだった。

4合目あたりでさすがに心が折れそうになり、荷物をデポすることにした。登山道にはリンドウなどの秋の花々が咲いていたが、もうカメラを構える気力すらなく、サブザックにしまいこむ。ただ、まとわりつくような夏の暑さと違って、爽やかな秋風が救いだ。

最後の岩場を登りつめると、そこには360度の絶景。尾瀬ヶ原ごしの至仏山も美しい。そこにいた誰もが、あの雨の中歩き出したことに納得しているようだな笑顔だった。

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尾瀬沼ヒュッテに到着して、まずはお風呂で汗を流す。今年に入って少し体調不良もありお酒を控えていたが、生ビールがあると聞いて1杯だけ!

オフ会の参加メンバーも集まり、美味しいビールが体にも心にも染み渡っていく。美しい夕焼けとともに…

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朝4時半に表へ出てみるも、厚い雲がかかり日の出は期待できなさそうだ。珈琲を淹れてゆっくりと味わい、辺りを散策することにした。

小屋の朝は早い。4時、5時ともなれば既に出発する登山者もいる。 

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煙突からは煙が登り、電球の温かみのある光がまだ薄暗い外を灯す。

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また会う約束をして、みんなで記念写真を撮り、それぞれの道へ別れた。 

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私は大江湿原と小淵沢田代をまわって靭滝がある沢沿いのルートで駐車場に戻ろうと考えていたが、もともと利用者の少ないルートで、下調べでも直近の情報が得られなかった。

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出発前にビジターセンターに立ち寄ってルートの状況について尋ねたところ、刈払いはしてあるはずだがスッタフも滅多に通らないという。

熊も気になるので湿原めぐりをしたらビジターセンターに戻り、来た道を引き返すことにした。

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ほんのりと始まった草紅葉の緑に、アザミやトリカブトといった紫色とマルバダケブキやアキノキリンソウなどの黄色が帯となり、美しいグラデーションを織りなしている。

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湿原と言えば尾瀬ヶ原だが、あちらはきっと賑やかに違いない。ひっそりとした静かな様子をゆっくり楽しむには、沼がいい。 

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残念ながら燧ケ岳の山頂は、雲隠れしていた。

登山口に向かう人々を見送りながら昨日の悪路を思い出し、彼らが山頂に着く頃には雲が切れることを願った。

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上空は風が強そうだ。雲の流れが速い。

湿原の上を光が駆けてゆく。

私は、光をつかまえようとカメラで追いかけた。 

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燧ケ岳の登山道でも多く見られた赤い実。特徴的な葉の下から延びる花柄に「白砂山で会ったあの花の実だ」とすぐわかったが、なかなか名前が出てこなかった。

ササ、ササバ…とそこに続く名前を乏しい記憶から探るが断念。

帰宅後、ブログを見返してようやく思い出せた。

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タケシマラン(竹縞蘭)。

ササではなく、タケだった(笑)

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大江湿原をぬけ森の中に入る。

長雨で閉口した8月だったが、苔やキノコ達には最高の天候だったらしい。ふかふかモフモフと広がった絨毯の上に、太陽の光が輝きを差し込んできた。

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小淵沢田代の湿原は、他に誰の姿もなかった。山頂にポカンと広がる湿原に自分一人だけが佇んでいる。

森から聞こえてくる鳥のさえずりと、風が湿原の上を走る音。

何もない。ほかに、何もない。 

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もともとの登山計画では、この湿原をぬけていく予定だった。

木道の整備は中ほどで切れ、その先は朽ちた木道が湿原の中に飲み込まれるがごとく水没していた。 

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ビジターセンターに戻り、昨日schenさんと歩いてきた道を戻った。

賑やかで楽しかった仲間たちとの時間を思い出す。

ひとりだけどひとりじゃないような、数時間前に同じ道を歩いた彼らの様子を思い浮かべながら歩く、来年の再会を今から楽しみにしている自分がいた。

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<今回のルート>

前日

前橋22:08~大清水23:40(車中泊

1日目

大清水4:50~一ノ瀬(雨宿り)5:45/6:30~三平峠7:32~三平下7:55~長蔵小屋前8:15~長英新道分岐8:30~ミノブチ岳11:05~俎嵓(山頂)11:40/12:00~尾瀬沼ヒュッテ(宿泊)14:55

2日目

尾瀬沼ビジターセンター7:35/7:40~大江湿原~小淵沢田代分岐8:15~小淵沢田代9:20~尾瀬沼への分岐9:42~ビジターセンター10:50/11:10~~三平下11:35~三平峠12:00~一ノ瀬12:50~大清水13:40

 

尾瀬沼ヒュッテ 1泊9000円 風呂あり

※大清水の駐車場は500円/1日。営業時間外に停めて歩き出しても、フロントワイパーに請求書が挟んであるので、戻ってきてから売店で精算すればよい。ちなみに、この売店で売っている花豆ジェラートと鳩待峠で売っている花豆ソフトは味が違う気がする。興味のある方は、ぜひ食べ比べを(笑)