四十九日を迎えた母の魂を、父が地蔵岳から送ってやるのだという。ふたりの最後の時間をそっとしたくて、父には内緒で私はいつもより遅く山に入った。 梅雨の晴れ間に木々の緑が滲むようだ。母によく似合っていた鮮やかな緑の服が思い出され、森に響き渡る春…
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