赤城のふもとから山歩き

赤城のふもとに居をかまえ、山や花や家族のこと。

谷川連峰 錦秋の平標山を歩く

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天候不良と体調不良で、しばらく山に行けなかった。

久しぶりに青空が広がると天気予報士のはずんだ声が聞こえてくる。

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澄んだ秋空が広がる平標山登山口の駐車場に下りると、冷たい空気が体を包んだ。

長袖Tシャツだけでは少し肌寒いが、歩き出せば丁度良くなるだろう。

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あらためて思う。私は、この季節が好きだ。

始まりの春の季節より、花が咲き誇る夏の季節より、ゆったりと冬に向かい始めるこの秋という季節が好きだ。  

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咲き遅れたのか可愛い夏の花のアカモノが、まだ少し咲いていた。 

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松手山から望む平標山の広くなだらかな稜線に圧倒される…笹と紅葉の美しいグラデーション。

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稜線歩きを始めた頃から少しずつ強い風が吹き始め 、途中ウィンドブレーカーを羽織った。

雲が南から次々とやってきては、稜線を超えていく。

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膝下にハイマツやシャクナゲがあるだけで、風の中も歩きやすくなる。

「ほら、がんばって」と背中を押されているようだ。

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今年は 雨が多いので、紅葉する前に枯れた葉も多く見られた。

そんな中で綺麗に紅葉した葉を見つけると、つい見とれて立ち止まってしまう。

こんな調子だから私の山歩きは次々と後から来た人に追い越され、ゆったりのったり進んでいく。

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花の時期に登った苗場山が見えた。

今月は雨が多かったから山頂の湿原は池塘が増えただろうか…草紅葉が綺麗だろうか…思いを巡らせる。

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平標山山頂も風が強かったので、誰もが休憩もそこそこに仙ノ倉山へと向かっていく。

私もいつか行ってみたいと、その姿を見送った。 

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下山する「平標山の家」方面を覗けば、少し下にベンチが見えた。

今日はあそこで、のんびりしよう…

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思った通り、少し下れば風もおさまった。ベンチが設置されているだけあって、眺めも最高だ。

コーヒーを淹れ、持参した和菓子を頂く…いつもながら、至福のひととき。

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こんな私の山での過ごし方に、「本当に山が好きなんだねぇ」と何度か言われたことがある。

ピークが嫌いなわけでも、目指さないわけでもない。しかし、ピークにこだわりもない。

こうして山に身を居ていること、そのことだけで十分幸せだ。

だから、そんな言葉をかけられると「はい。そうなんです!」と満面の笑みで応えてしまう。

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自然美というものなのか…時々、絶妙な色や配置に唸ってしまうことがある。 

日本庭園や生け花などの文化は、こういう自然の美に古の人も影響を受けたのだろう。

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小屋から平元新道を下る。

下から背負子を背負った年配の男女が上がってきた。感謝を込めて「お世話様です」と声をかけた。 

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ほどなくして、岩魚沢林道に合流。

木漏れ日の静かな林道歩き。歩くたびに、落ち葉がかさっかさっと音をたてる。

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紅葉した葉を通して降りてくる光は、ほっこりとしていて心が穏やかになる。

見上げた隙間から覗く青空が、美しい。

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別荘地あたりから、歩道はより川の脇を進む。

水面に移る緑も、少し秋色だ。

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駐車場に戻ってくると、車が随分増えていた。

無人の料金所に駐車料金を納め、群馬へ向かって車を発進させた。

<今日のルート>

前橋4:10~一般道~平標山登山口駐車場5:33/5:48~鉄塔6:58~松手山7:45~平標山山頂9:06/9:25~ベンチ9:33/10:00~平標山ノ家10:30~駐車場12:45 

駐車料金は600円。無人の場合、おつりがでないので要注意。