2019/7/7
3年前の秋に同じルートを辿って平標山まで歩いた。
風が強かった上に、その頃はまだ自分の体力にも自信がなくて
平標から仙ノ倉山へ続く道をいつか自分もと思いながら
人々が歩いていくのを見送った。
いくつかの理由で延期している谷川馬蹄形に向けて
同じ谷川連峰で主脈縦走の末尾であるこの2座を
あの頃の思いを胸に歩くことにした。
霧の中で咲くハクサンイチゲ(白山一華)。
花びらを散らしたものも多く、ピークの時はもっと一面に咲いていたのだろう。
ウラジロヨウラク(裏白瓔珞)。
登山道のすぐそばでウグイスの鳴き声がする。
辺りをキョロキョロと見渡すと、小枝にとまり美声を披露する姿!
逃げないで、逃げないで…心の中で懇願。
ハクサンチドリ(白山千鳥)が頭上の水玉が落ちてきそうで緊張しているみたい…(´艸`*)
咲き始めたカラマツソウ(唐松草)の紫色した蕾にも
たくさんの水玉がついて、ちょっと重たそう。
撮影中はずっとツバメオモトだと勘違いをしていたオノエラン(尾上蘭)。
言い訳をすれば、ツバメオモトの咲いているところを見たことがないのだ。
改めて見直せば、たしかに花は蘭の姿をしている。
ナナカマド。
赤い実をつけた姿が代名詞のようだが、花だって負けず可愛い。
ベニサラサドウダン(紅更紗満天星)。
葉の様子からミヤマダイコンソウ(深山大根草)だろうか…
というのも、このミヤマキンポウゲ(深山金鳳花)とは違うと思ったので。
ほんの一瞬、少しだけ視界が開ける。
よく訪れているであろう男性たちが「こんなに見えないのも珍しい」と話しているのを耳にした。
考えようによっては、そんな貴重な日に来たということかな(笑)
視界が効かないと、カメラを向ける先もついついマクロに…
仙ノ倉山から延びる主脈への道。
霧さえなければ、もう少し足を延ばして谷川岳へ続く道を見たかったな。
仙ノ倉から戻り始めた頃に吹き始めた風がゆらゆらと草花を揺らす。
草花の撮影で自分が一番気に掛けるている事と言えば 、被写体探しだ。
個体が美しい状態であるのはもちろんだ。
むしろ問題は、周りの状況と光のあたり方で
自分で手が加えられない、構える位置が限定される中ではなかなか厳しい。
しかし、そんな限定条件だからこそ楽しいのだ。
自分が心躍る被写体に出会えた時の喜びは、何ものにも代えがたい。
と同時に、撮影するか迷った時が困りものだ。
これ以上の被写体に今日は会えないかもと思って撮影しては、なかなか先に進めなかったり
後でと思っていたら、光や風の条件が変わったり
やっぱり撮っておけばよかったと後悔したりすることしきりだ。
初めての出会いに心が躍ったが、平標山から仙ノ倉山まではピストンだったので
往路で被写体を選んでから復路で撮影しようと思ったのだ。
しかし、無情にも吹き始めた風により
ハクサンコザクラは、ゆらゆら…ゆらゆら…あららら…残念…
カエデの花。目立たないけど可愛い。
だから、見つけると嬉しい。
天気が多少悪くても、水玉の演出があれば ♪
よく見る花ゴゼンタチバナ(御前橘)だって
のぞいてみれば、また良し。
オオナルコユリ(大鳴子百合)。
折らないよう注意を呼びかける看板に花名が記されていた。
そうでなければ、ナルコユリかアマドコロか悩むところだ。
この2種の違いを、私は未だに理解できない。
オニシモツケ(鬼下野)…かな?
草むらに頭を突っ込みながら撮影する私…
シロバナニガナ(白花苦菜)。
平標山の家から沢に向かって降りていくと植生が変わる。
しかし、あまり関心を寄せる人はいない。
藪蚊の襲撃にあいながら夢中で撮影する私は少々奇異な人だ。
好きすぎて園芸店で苗を購入し、庭にも植えたズダヤクシュ(喘息薬種)の大群落。
どうか我家の苗も無事に増えてほしいな。
ヒメジョオン(姫女苑)が通り過ぎないでって引き留める。
最後に「花はノイチゴなのに葉っぱが違う!」と興奮ぎみに撮影。
名前を調べるのに苦労した(-_-;)
コバノフユイチゴ(小葉冬苺)、別名マルバフユイチゴ(丸葉冬苺)。
沢沿いに降りて森の中を歩くルート。
そのまま林道を歩いていく人も多いけど、この景色が好きだから。
沢の音が、心地いい。
3年前もこの景色に魅了された。
今回も、やっぱりいいねってシャッターを切った。
3年前の写真を見て、少しは上達しかなって思えたし
以前は行けなかった仙ノ倉山まで歩くことができた。
最近いろいろ退化(劣化?)していく自分を感じることも多いから
まだまだ成長できるじゃんって思えることは嬉しい。
自分の伸びしろ、最後の1ミリだって無駄にしないぞ!
でも、あと何ミリ残ってるかなぁ(笑)
成長と劣化の勝負だね。
<今日のルート>