長男の部屋の窓から見えるヤマボウシ。
山岳連盟個人会員交流登山「コンパスと地図の使い方をマスターする」というわけで、旧勢多郡黒保根村…現在桐生市黒保根町にある利平茶屋森林公園から現在は使われていない登山道を地図を頼りに歩いた。
かつて赤城登山鉄道のケーブルカーが利平茶屋と鳥居峠の赤城山頂駅を結んでいて観光客のメインゲートとなっていたが、今は廃線跡とホーム跡が唯一当時の面影を残している。
歩き始めてしばらくは急な薄い踏み跡を辿っていくが、徐々にヤマツツジ(山躑躅)、トウゴクミツバツツジ(東国三葉躑躅)、シロヤシオ(白八汐)が咲き乱れる道となった。
ツツジに紛れて、ベニバナコツクバネウツギ(紅花小衝羽根空木)。
特にシロヤシオは先々まで咲き重なり、それは見事な群落だった。
篭山付近では、萌黄色にトウゴクミツバツツジの赤紫色が鮮やかに織りなす。
曇りがちな空に晴れ間がのぞき、陽が森に差し込むとたちまち神秘的な世界。
控えめなカエデの花を見ながら覚満淵を抜け、ビジターセンターから地蔵岳へ。
今日はカラッとしていて、休むと寒いくらいだった。雪を抱く上越の山々も澄んで見える。
地蔵岳から小沼へ下りて、長七郎山へ。小沼のシロヤシオはまだ蕾が多く、見頃はこれから。
今年は、間違いなく当たり年。気になる方は、是非。
鳥居峠から利平茶屋森林公園へ。下山は廃線跡や御神水のある登山道を利用した。
御神水辺りから花々が…あぁ、足が止まる。
山岳会のY氏の「下山はゆっくりでいいんだよ」という言葉に甘えて、少し遅れながら写真を撮らせてもらった。
最初に足を止めるきっかけになった、クワガタソウ(鍬形草)。
私は、この花が好きだ。許されるなら、家に持ち帰りたいくらい!
コンロンソウ(崑崙草)。
中国神話の山「崑崙山」に積もる雪を想像して名付けられたといわれている。
そして、ウサギ耳のような花びらが可愛いミヤマハコベ(深山繁縷)。
ばうさんのおかげで、名前がすぐに出てきたフタリシズカ(二人静)。
利平茶屋森林公園に戻って解散。
コンパスの使用法は、先日机上講習で復習したにもかかわらずオタオタ。
次回から、山歩きの時は復習して完全にマスターしたいと思った。
他にも山の情報を山岳会の方々からいろいろ教えていただき、収穫豊富な山歩きとなった。一歩一歩、楽しみながら成長したいと思う。
ちなみに、歩き方が最大の課題。ザレが苦手なのも、そこが原因と教えていただいた。フラットに置き、フラットのまま上げること…うーん、簡単そうで難しい。私はつま先を残して足を上げてしまう癖が抜けず、後ろに払ってしまう。いわゆる街歩き。登山道を傷めないためにもと聞き、何とかマスターしなくてはと思っている。
<今日のルート>
利平茶屋森林公園~地図にはないルート~鳥居峠~覚満淵~ビジターセンター~地蔵岳~小沼~長七郎山~鳥居峠~利平茶屋森林公園
講習登山のため、時間計測はせず。
家を建替える際に瀕死の状態になってしまった牡丹。
もう一度咲き始めた時、今は亡き母がとても喜んでいた。
庭の花木には、それぞれ思い出があって愛おしい。
去年、三夜沢のツツジを見た時から、次はつつじが峰を歩いてみたいと思っていた。
起点となる大猿公園あたりのヤマツツジはすでに終盤で、サラサドウダン(更紗満天星)が咲き始めていた。
ふわふわとしたマルバアオダモ(丸葉青だも)の花が、光に輝いて綺麗だ。
中盤からヤマツツジの鮮やかなオレンジ色が、新緑のなかで一層増して鮮やかに見える。
コースは特に危険箇所はないが、傾斜はなかなか。写真を撮りながらゆるゆると上がっていく。
横引き峰にでる手前で満開のものを見ることができたシロヤシオ(白八汐)。
ミツバツツジの間に、純白のオオカメノキ(大亀の木)の花。
先月見に訪れた横引き峰のアカヤシオ(赤八汐)はすっかり散ってしまった。
銚子の伽藍上の展望台まで足を延ばし、歩いてきたつつじが峰通りを眺めながら朝淹れの珈琲と梅干のおにぎりで昼食にした。
足元にちいさなちいさなスミレ(菫)。思わず、「かわいいっ!」と話しかける。
横引き峰のミツバツツジとシロヤシオの競演が素晴らしいのだと、先月父の山仲間の方から伺った。
まだ、どちらも蕾。
数日後には、きっと素晴らしい光景が見られることだろう。
これは、自信がない。
ヘビイチゴとは何となく花が違うように見え、いろいろ調べてみたがツルキンバイ(蔓金梅)ではないかと…
下りは茶ノ木畑峠から岳人岩のある小峰通りを歩いた。
こちらもツツジが多くみられる。
斜度はつつじが峰より緩やかで、明るい。
爽やかな五月の風に吹かれながら、静かな山道をのんびり下山した。
<今日のルート>
大猿公園駐車場9:05~WC前の林道~つつじが峰入口の看板9:10~分岐9:30~西登山口への分岐9:40~さねすり岩11:00~横引き峰11:12~展望台11:30/12:00~つつじが峰分岐前通過12:13~茶ノ木畑峠(小峰通り入口)12:20~岳人岩12:50~駐車場14:00
余談…
帰宅すると次男から衝撃の報告。「熊、いた。」
最初は冗談かと思ったが、部活で坂ダッシュをしていると何か動物が襲われているような鳴き声ののち絶命するような声。声のする方向を見ると、大きな黒い塊が動いているのを数名で確認。その後、役場から熊が出現したので気を付けるようにアナウンスがあったとのこと( ゚Д゚)
次男がいたのは榛名の麓。先月は赤城南面の前橋の小学校近くでも熊の目撃情報が2件あったばかりだ。例年の目撃情報より人家近くでの目撃情報が多い。注意が必要だ。
GWに、家族で佐久バルーンフェスの夜間係留イベント(バルーンイリュージョン)を見に出かけた。
残念ながら、強風のためバルーンはなくバーナーの炎だけだった。
家族全員それぞれカメラをぶら下げ、思い思いの場所へ…
夫から借りた一眼レフのカメラでフィルム写真を撮っている長男は、夫から指南を受けている模様。
何だかんだ言いながら、夫も楽しそうに教えている。
相変わらずマイペース(もしかして私に似たのか?)な次男は、飄々と写真を撮っていた。
大学のサークルなのかなと思うチーム。
何となく惹かれて、しばらく彼らの姿を追った。
大学の写真部時代を思い出す。
唐沢寿明や江口洋介が出ていた「愛という名のもとに」というドラマが頭をよぎった。
入学したときはバブルだった。
卒業するときは、就職氷河期だった。
不安でたまらなかったし、バイト代は画材費に消えて財布の中はいつも厳しかった。
恋もしたし、失恋もした。
そういえば、出入りしていた写真屋で夫とも出会っていた。
電話の子機を持ち歩いている変な人だと思っていたけど
それが携帯電話だって随分後になって知ったんだ。
群馬の伊勢崎に老舗の山ショップがある。知る人ぞ知る「山とスキーの店石井」。
辛口のアドバイスに敬遠する人もいるが、それは山を熟知しているからのことと私は思っている。
ソロ用のテントの購入も、この店で決めた。家族で山に登っていた時と同じエスパース。
その時、店員さんから練習に勧められたのが赤城の大沼だった。
実はここ、無料だ。常駐の管理人もいない。だからなのか、ゴミが溢れかえることもなく利用者のマナーによって成り立っている。
夫からレクチャーを受けながら、テント設営。
夕飯に家族でバーベキューをした。
「ま、後はこれを背負って歩けるかだね」そう言って、夫は息子達と帰っていった。
ひとりテントに潜りこむ。
その畳一枚ほどのスペースが、私には居心地がよかった。
朝、鳥たちの囀りに目を覚ました。
湯を沸かしアルファー米を用意して、珈琲を淹れる。
明けゆく空に残月。
湖面に魚が描く孤が、まるで蓮の葉のようにあちこちで開いては消えてゆく。
アルファー米は、少し苦手だった。山での食事にあまりこだわりはないが、少し考えようと思った。
テントを撤収して、ザックのパッキングを重心に意識をおいて、いつも以上に考える。
予備の水も1リットル用意した。
歩きなれた黒檜登山口からスタート。
ザックの重さはさほど気にならなかったが、足元はいつもより慎重に運んだ。
猫岩から見えた新芽の美しいこと…同じ場所から幾度となく見ているはずなのに、それは一度として同じ景色にあらず、私を喜ばせてくれる。
黒檜山頂先の展望台からは、雄々しい上州武尊の先に先日登った至仏山が顔をのぞかせていた。
ザックをおろし、インスタントコーヒーと共に一口塩羊羹。
最近お気に入りの行動食。
黒檜から駒ケ岳へと移動していると、あちらこちらの斜面にアカヤシオ。
篭山のアカヤシオ…間に合うかな?
というわけで駒ケ岳登山口へは下りず、サブルートで覚満淵へ。
山桜。この楚々とした雰囲気が好き。
暑くもなく寒くもなく、時折心地よい風が吹きぬけていく。
篭山のアカヤシオは最後のひと咲き。
下山後、覚満淵をぬけて駐車場へ。
思っていたよりザックの重さは気にならなかった。
今日の体験が、この夏の計画を大幅に変更しそうだ。
<今日のルート>
大沼キャンプ場7:00~黒檜登山口7:15~黒檜山頂8:45~展望台~黒檜山頂9:30~駒ケ岳10:17~鳥居峠11:25~覚満淵~黒檜登山口駐車場12:05
ザック+カメラ 13.6kg
バルーンフェスの後に渡良瀬渓谷鉄道神戸(ごうど)駅のハナモモを撮りに寄った。
帰りの車で思ったように撮れなかったなぁって話していたら
突然、夫が車をUターン。
「こういうの好きなんじゃない?」
バス停近くの見事な枝垂桜と椅子。