朝は涼しく快適だったが、登り始めの樹林帯から蒸し暑い…。
先日、父が山に持っていくといいと分けてくれたクエン酸の粉末を飲み水に混ぜてきた。甘味はなく、さっぱりとして美味しい。クエン酸は疲労回復にも効果があり、筋肉の痙攣などを予防する効果があるらしい。
ユキワリソウ(雪割草)
樹林帯を抜けると蛇紋岩の岩の道となる。登山道は昨日まで降っていた雨水の通り道になっていて、滑りやすい。所々木道が崩れかけている場所などもあり、確かに下りに使うには危険だろう。
ジョウシュウアズマギク(上州東菊)
オゼソウ(尾瀬草)
そこそこ急登な山頂までのコースタイムは、3時間。時折、ベンチが設けられていて、振り返れば尾瀬ヶ原と燧ケ岳が望める。燧ケ岳の左奥には会津駒ヶ岳が見えるはずだが、今日は雲隠れしているようだ。代わりに左に目をやれば、まだ雪残る山々を垣間見ることができた。あれは越後駒ヶ岳か、八海山か…
ハクサンイチゲ(白山一華)
撮影時はキスミレ(黄菫)かと思っていた。帰宅後、調べてジョウエツキバナノコマノツメ(上越黄花の駒の爪 )という長~い名前だと判明。駒の爪ということは、馬の蹄ということか…どの辺が?(笑)
花の漢字名も併記しているのは、こういう面白さを味わいたいという思いからだったりする。
ムラサキタカネアオヤギソウ(紫高嶺青柳草)
こちらもなかなか長い名前。シュロソウ(棕櫚草)に似ていると思っていたら、やはり仲間だった。緑の中で、赤紫色が美しい。我家の庭にもこんな葉色のヒューケラを植えてみようか…結局、スコップは新しいのを買ったことだし(^^ゞ
山の鼻にあるビジターセンターで頂いた「至仏山マナーブック」によると、蛇紋岩の主成分は鉄とマグネシウムなので、一般的に植物は生育しにくく、ホソバヒナウスユキソウ(細葉雛薄雪草) など特殊で貴重な植物が生育しているそうだ。
ちなみに、このマナーブックは無料だ。山の形成の歴史や主だった植物も紹介されているので、なかなか面白い。初めて至仏山に登る方に、オススメだ。
ハクサンチドリ(白山千鳥) …かなりひねくれた形だと思うのは私だけだろうか。ひねくれ者同志、親近感を感じていたりする。
残雪。小屋の方か…雪切りをしてくださっていた。念のため、軽アイゼンも付けたが雪はすでにシャーベット状で利きが悪い。足をフラットに置くように心掛けた。雪上訓練の知識が、役に立つ。
もう1箇所、雪渓上を下る場面があった。こちらはシャベルでステップが切ってあったので、アイゼンは付けず慎重に渡った。
ショウジョウバカマ(猩々袴) が斜面に群生している場所もあった。なかなか絵にするには難しいけれど、そういう場所に出会うとテンションもあがる。
イワハタザオ(岩旗竿)
山頂では20名ほどの登山者が 、昼食をとっていた。私もその中に混じって、持参したワカメ御飯のおにぎりをザックの中から取り出した。その時だった。後ろから「割箸を忘れた!」と叫び声が…見れば、長男といくつも歳のかわらなそうな若い男性がカップ麺を片手に頭を抱えている。何だかほってはおけなくて、いつも予備で持っている割箸を差し出した。
昼食の後、いつものように珈琲を淹れ、デザートの和菓子をいただいてから鳩待峠に向かって下山を開始した。尾瀬ヶ原方面とは反対側にあたる至仏山の表情は、とても力強く素晴らしいものだった。その姿に見入りながら歩いていると、先ほどの割箸の若者が後ろからやってきた。「さっきは、ありがとうございました!」と、さわやかな笑顔と共に礼をのべてくれ、こちらも温かい気持ちになれた。
これから向かう、小至仏方面。
タカネシオガマ(高嶺塩竈)
山の写真を撮ろうとカメラを向けていると、ちょうど赤い帽子とザックの女性が入ってくれた。こんなタイミングに出会うとき、思わず撮りながらニンマリしてしまう。
一輪だけ咲いていたタカネバラ(高嶺薔薇) 。
いくらなんでも7月に桜が咲いているとは思わなかった…ミネザクラ(峰桜/別名:タカネザクラ高嶺桜) 。
悪沢岳の先に見える笠ヶ岳。気になるなぁ…来年は、あちらに行ってみようか。
イワナシ(岩梨)
先月の浅間隠山で行われた講習会で、下りのストックの使い方が下手だと指摘された。今日は下山で意識しながらストックを使ってみる。突く場所と足の運び方…最初は違和感があったものの、最後には随分スムーズにこなせるようになってきた。これなら、確かに膝への負担が軽減しそうだ。
今シーズンは見逃してしまったと思っていたシラネアオイ(白根葵)に会えた。先に撮影している男性がいたので、少し後方で待機していた。撮影を終えた男性が「今日は抜きつ抜かれつ来ましたね」と声をかけてくれる。聞けば度々尾瀬には訪れていらっしゃるようで、ちょっぴりどんな写真を撮っているのか気になった。
白い花の場合はシロバナとかつくので、アカハナとかクロバナとかつくのかと思っていたが、エンレイソウ(延齢草) でいいらしい。ということは、この花色が元色ということか…
鳩待峠に下りてきたら、あれを食べなきゃ …そうそう、花豆ソフト。御当地アイスで色々な味のソフトクリームが出ているが、私の中でナンバーワンは間違いなくこの花豆ソフト。みなさん、ネーミングにひるまず一度ご賞味あれ!
<今日のルート>
前橋4:00~尾瀬第一駐車場(1000円/1日)5:20/5:45~代替輸送バスor乗合タクシー(大人980円・小人490円)~鳩待峠6:10/6:15~山の鼻7:27~ビジターセンター~公衆トイレ~尾瀬ヶ原入口付近~登山口7:55~至仏山山頂11:25/11:55~小至仏山12:55~オヤマ沢田代~原見岩~鳩待峠14:55/15:20~バス~駐車場
花豆ソフトクリーム 400円