赤城のふもとから山歩き

赤城のふもとに居をかまえ、山や花や家族のこと。

尾瀬 初冬の尾瀬ヶ原

2018/11/3~11/4

 

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2週間前に夫の転倒により撤退した尾瀬ヶ原へ、通行止めで入山できなくなる前にリトライすることにした。

改善策として滑り止め(※詳細は後述)の使用と下り坂となる鳩待峠からの夜間歩行をやめ、山ノ鼻にテント泊することに。

駐車料金は2日分の5,000円となるが、安全には変えられない。

 

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せっかくなので、星空の撮影にも出掛けた。

木道とはいえ暗闇をひとりで歩くのは怖くて考えられないが、夫と長男に挟まれ心強い。

撮影ポイントに到着した時にかかっていた雲は徐々に取り払われ

夜空に大河のような天の川と数限りなく散りばめられた星々が現れた。

私は夫が長男に撮影を指南する声を聞きながら、傍らのベンチに寝転んだ。

自分の腕前では、ろくでもない写真しか撮れない。

ならば、いっそ写真をやめて思いっきり今感動しよう…

 

というわけで、星の写真は夫から。

 

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夜明け前の午前4時。

月が出ていくらか明るくなった木道を、星空観察をしたポイントより先の水芭蕉の群生地として知られる下ノ大堀川まで歩いた。

夫がよく通っていた10年ほど前まで、このポイントはカメラマンに有名でいつも三脚が10台ほど並んでいたというが、今日は私たちの他に一人だけだった。

ダイニングに飾ってある夫の写真と比べて、ずいぶん白樺が寂しくなった印象を受けた。

人気の撮影ポイントは、別の場所に移ったのかもしれない。

 

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しだいに空が明るくなり、広がる光景に感嘆。

初めて見る霜をまとった尾瀬ヶ原の景色と、その先に堂々と立つ燧ケ岳と至仏山

 

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夫が木々にも霜が付く「大霜」は、もっと素晴らしい景色なのだと教えてくれた。

今日は、いくらか暖かいらしい。

 

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日が差し込めば、儚く消えてしまう。

それまでが勝負だと夫に言われ、長男も私もいそいそと動き回る。

夫は慣れたもので動きに無駄がなく、着々とポイントを押さえにいっている。

後で撮った写真を見返すと、一度撮った場所で10枚後にもう一度全く同じ写真を撮ったりしていて笑ってしまった。

ま、初めてだからねって夫には慰められたが、きっと私は慣れても落ち着きがない。

 

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今は植生保護のため入山禁止の景鶴山に、朝陽が差し込む。

 

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冠雪した至仏山。その姿はより一層美しく見えた。

 

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刻々と景色が変化する。

 

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逆光でシルエットを空に描いていた燧ケ岳の横肌に陽があたり、

少しずつ表情が豊かになるさまも、いとおかし。

 

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いよいよ原に陽が差しはじめた…

 

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見ず知らずのカメラマン。

テント装備だけど、見晴に泊ったのかな…

 

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霜が解け、きらきらと光り輝く姿に再び足を止める。

 

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姿を現した草紅葉。

 

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初夏の水芭蕉シーズンに始まり多くの人々が訪れた尾瀬が、冬の到来とともに雪に閉ざされる。

その賑わいでさえ、まるで消えた霜のように幻に感じられた初冬の景色に深く感動した。

また、来年も訪れたい。

 

ね、夫殿。

 

 

<今日のルート> 

 

 

  

<滑り止めについて>

撤退した前回、私はモンベルの滑り止めバンドを使用していましたが、幅広の靴にサイズが合わなかったのか片方が知らない間に外れ紛失してしまいました。

夫の転倒もあり、ネットで新たな滑り止めを検討した結果…

有限会社内田撚糸の「スノースリップガード LightⅡ」を購入。

夫は効果のほどを怪しんでいましたが、それは霜の降りた木道を歩く上で十分に安心感を与えてくれるものでした。

木道を傷つけず軽くてコンパクトなので、これからは常に持ち歩こうかと思っています。

ドラマ「陸王」みたい…と思い、ささやかながら応援も込めてブログで紹介させていただきました(^^)