麦草ヒュッテで迎えたオフ会2日目の朝。
日の出前に目が覚めた。雲は厚く、日の出はおろか空も染まりそうにない。
珈琲を淹れようと表に出たが、冬型の気圧配置のわりに意外と暖かで穏やかだった。
湯を沸かしている間に甘いものが欲しくなり、珈琲をやめてミルクティーにした。
年配の男女8名程のグループが、出発にむけて支度をしている。
聞けば昨日蓼科から入り、今日は赤岳に向かうのだという。
ひとり薬を飲み忘れていたというので、お水を差し出したら喜んでもらえた。
しかし、時間が経つにつれ気温がさがり、風も強くなってきた。
オフ会のメンバーもそれぞれ2日目の計画を立てていたようだが、窓の外の様子を見て予定を変更。私も「にゅう」に行く予定を中止した。
朝出発したグループは大丈夫だろうか…少し心配になった。
それぞれが自分の山の楽しみ方を持っている…だから、話が尽きない。
茅野市側の八ヶ岳が望める素敵なカフェで、オフ会メンバーの楽しい時間の続き。
お昼頃、それぞれが帰路についた。
八ヶ岳は雲の中だが、麓には青空が広がり始めている。
別荘地あたりのメルヘン街道は紅葉がピーク…やっぱり少し、歩きたいな…
宿泊した麦草ヒュッテの前を通り過ぎ、八千穂高原自然園の駐車場に車を滑り込ませた。
まずは、食堂で山女魚の唐揚丼をお昼に頂く。薪のストーブの温かさも心地いい。
自然園の紅葉もピークは過ぎた感じだったが、敷きつめられた落ち葉の絨毯が美しく十分楽しめる。
私は、誰かと話すと後から不安が押し寄せてくる。
変なこと、失礼なこと言ったんじゃないかな…
あんな言い方しなければよかったな…
そんな気持ちに押しつぶされそうになった時、ひとり山や公園を歩いていると少しずつ心がほぐされていく。
20歳頃、学生相手の居酒屋の主人に「鎧を十二単のように纏ってる子だね」と言われたことを思い出した。
あの頃より、自分はおおらかになった。
そう思える自分がいる。
だから、少し自分を許してやろう…
紅葉の中を歩きながら、そんなことを考えている。
顔をあげてみれば、唐松の森が美しく輝いているではないか…
清々しい気持ちで自然園から出てきた。
家に帰ろう。
そうだ。帰って、2日前に仕込んだローストビーフを焼こう。
<八千穂高原自然園>
開園期間 平成28年4月23日~11月6日
開園時間 午前8時30分~午後5時(受付4時20分まで)
入園料 大人(16歳以上) 300円 / 小人(小中学生) 150円