2018/7/25~7/27
一昨年の北岳でお会いした方から薦められて以来、いつか登りたいと思っていた鳳凰三山。
今年に入って山岳会の方から南アルプスに分布するタカネビランジという花を教えていただき、さらに訪れたい気持ちが高まった。
台風の影響なのかコロコロと変化する天気予報にヤキモキしながらも、ダメならピークを諦めて帰ろうと腹を決め、いざ!
< 1日目 >
テント装備を担ぐ負担を考え、他のコースより距離は長いが緩斜面の夜叉神峠登山口よりスタート。
この蝶については手持ちの図鑑ではわからず、現在「教えて!goo」で質問中。
<追記>
とまり方で蝶だと思い込んでいたが、シャクガの仲間であることが判明。
トラフツバメエダシャク。
バイケイソウ(梅慧草)は花盛り。
毒草として知られるが、花の色は控えめで繊細だ。
ところどころにイチヤクソウ(一薬草)も。
テン場までは約5時間の歩行予定。早起きは苦手ではないが高速道路の運転が響いたのか何となく体が本調子とはいえず、やたらと行程が長く感じてしまう…
杖立峠で休憩をしていると同じ南御室小屋でテン泊予定のソロの女性に声をかけられ、初めてのテン泊だという。
私も「まだ3回目です」と答え、テン場での再会を約束したら元気が出てきた。
女性と再会し、テントを並べて張った。
台風の影響か少々強い風が吹いているので、テントの出入口は風下に向けた。
テント脇にはゴゼンタチバナが満開だ。
小屋の前ではヤナギランン(柳蘭)が鮮やかなピンク色の花を咲かせ始めている。
この南御室小屋でさえ標高2400m以上…赤城の黒檜より高い。下界の暑さをしばし忘れる。
クルマユリ(車百合)。
トリカブト(鳥兜)。漢字と花の形状と見合わせるとなるほどなぁと。
ヤマオダマキ(山苧環)。咲いているのはトイレに向かう道の脇(笑)
その後、知り合いになった女性や他の登山客と4人でビールを飲みつつ山の話で盛り上がった。
女性は山歩き歴8年ほどだとか。歳も私より若いと思っていたが、ちょっぴり先輩のよう。
その方の華奢な体や可愛らしい顔つきからは想像もできないパワフルな山歴に圧倒されつつ、私もいつか行きたいと思っていた雲ノ平をテントで来月回る予定だと聞き、自分も頑張ろうと思った。
まずは来年、教えていただいた北沢峠テン泊甲斐駒・仙丈ヶ岳ダブル制覇が目標だ。
<2日目>
心配していた天気も回復。夜明けはテン場で過ごし、いよいよ鳳凰三山にむけて歩き始める。
後で北岳が真っ赤にやけたと聞き、30分早く出ればよかったと後悔…
雲海の広がる砂払まではテント装備から解放されて軽身のせいか、あっという間に到着。
さっそくタカネビランジ(高嶺ビランジ)がお出迎え(*´ω`*)
まずは1つ目のピーク、薬師岳へ。
雲海に浮かぶ島々のような塩見・赤石・聖岳方面。
登山者がいなくなるのを待っているカメラマンに、前方の登山者を越して行くのでスタートしてよいか尋ねてから歩き出した。じっくり待ってシャッターを切るということができない私は、夫もこの待つタイプでいつも感心してしまう。
山の写真に人を入れて撮るのも、山の大きさが表現できて私は好きだからいいのだ。これで、いいのだ(笑)
というわけで、この御年配の方々はコッソリ私のモデルに…
赤いザックが効いてます(笑)
こちらも、少しずつ踏破予定…何年かかるかな。
来年、伺います…と、心に誓う。
さて、次は三山最後の頂…地蔵岳、有名なオベリスク(地蔵仏)を目指す。
昨日、知り合った女性は今日のうちにテントを撤収して夜叉神へ下る予定だったので、私より先に三山縦走に出ていた。地蔵岳で往き合い、連絡先を交換して再会の約束をした。
少し先を行く目標になる人と出会えたことは、本当に素晴らしい。ブラボー ♪
オベリスクの北側の岩も少し登ってみたが、他に誰もいないので怖くて引き返した。
賽ノ河原の木に守られるようにお地蔵様…優しいお顔と無言の思いが胸を打つ。
お気に入りの止まり木のようで、カメラを向けても無関心だったホシガラス。
オベリスクから雲が上がってチラ見せとなった甲斐駒もカッコイイなぁと眺めながら、せっかくテント2泊で時間的余裕もあるし、早川尾根からの北岳を見るために高嶺まで足を延ばすことにした。
お、確かに鳳凰山側から見るより立体的でシャープな山容。
ミネウスユキソウ(嶺薄雪草)とタカネビランジのひょっこりさんコラボ。
過酷な環境にありながら、岩の隙間に生きる場所を見つけて健気に咲くタカネビランジ…その静かな力強さにパワーをもらおう。
モミジカラマツ(紅葉唐松)。
ミヤマコゴメグサ(深山小米草)が、あちらこちらで満開。
三山縦走ピストン山行ということは、行きはよいよい帰りは恐いではないが来たからには戻らなければ…観音岳の登り返しと砂地が地味に効く。
それでもテン場まで戻ってきたときは、清々しい疲労感と達成感。これだから山歩きはやめられない。
食欲はなかったが、明日のためにも体力を回復しておかなくてはと遅めのお昼にラーメンを作ってビールで乾杯。そして、しばしお昼寝…至福のひととき(´▽`*)
夕食にサバの味噌煮とウイスキーの水割り(南御室小屋の水は最高に美味しい)を食べている時、自然観察をする小屋泊の女性と山草の話題で盛り上がり、私が来るときには気が付かなかった花の存在を教えてくれた。
<3日目>
誰もが翌日の天気を心配していたが夜中に通り雨のようにザァーとひと降りし、翌朝はすっかり青空が広がっていた。
三山を目指す人々を見送り、私はテントを乾かしながらのんびりと荷造り。
小屋の方々に御礼を述べて、夜叉神峠に向かって朝日差し込む森へ入っていった。
前日教えてもらった場所を丹念に探していると…
コフタバラン(小二葉蘭)。
すでに咲き終わった個体が多く、やっと咲いている株を発見。
撮影泣かせな米粒ほどの小さな花。
いいお天気なので、辻山によって行こう。
三山縦走中の彼らの歓喜の声が聞こえてきそうだ。
鳳凰三山に感謝を伝えて、下山の途につく。
タマガワホトトギス(玉川杜鵑)。
タニタデ(谷蓼)。この後、あの服にいつの間にか付いてくる「くっつき虫」になるのかな?
花がこんなに可愛いなんて知らなかった。
ミヤマタニソバ(深山谷蕎麦)。
なかなか名前を判明するまでに苦労した。
ソバナ(岨花)…たぶん。
毎回、悩むんだな…これ。
<メモ>
・ツリガネニンジンの花は輪生状につくが、ソバナは一本づつ花柄を出し先端に花をつける。
・ツリガネニンジンの葉は普通輪生だがソバナは互生。
・ツリガネニンジンのガク片は細長く反り返るが、ソバナのガク片は幅広で横に広がる程度。
・ソバナの葉には長い柄があるが、ミヤマシャジンの葉の柄は短い。
もうすぐ下山口というところで、この子を発見。
望遠レンズに交換している間に逃げてしまった…ん~、名前もわからず( ;∀;)
無事、夜叉神峠登山口の駐車場に戻ってきた。
帰りは高速を使わず下道で…素敵な出会いが多かった今回の山行を思い出しながら家路についた。
山と家族と出会いに、感謝、感謝。
<今回のルート>
1日目
自宅2:50~高速道路利用~夜叉神峠登山口P5:50/6:30~夜叉神峠7:44~杖立峠9:33/9:48~苺平11:45/11:53~南御室小屋12:15 テン泊
2日目
南御室小屋4:45~薬師岳6:10~鳳凰山(観音岳)6:55/7:10~分岐7:31~赤抜沢ノ頭8:17~地蔵岳(オベリスク)8:30/8:45~赤抜沢ノ頭8:55~高嶺9:43/9:53~分岐11:32~観音岳12:09/12:17~薬師岳12:45/13:00~南御室小屋13:58 テン泊
3日目
南御室小屋7:10~辻山8:13/8:20~苺平8:37~杖立峠9:55/10:15~夜叉神峠11:09~夜叉神峠登山口P12:09/12:23~下道~自宅16:37
CASIO PRO TREK Smart WSD-F20で行程を記録しヤマップにアップロードするも読み込まれず…原因解明、データ復旧ができたら追記したいと思います。
しかしながら腕時計で気軽に現在地をチェックできたことは、とても便利で心強いものでした。ヤマップの地図をウォッチに読み込んで、そこまで出来たことは私にとって大きな前進です。
<追記>
ヤマップに掲示板で質問したところ、ちゃんと読み込まれていました(;'∀')
自分で非公開にしていたのに、自分で気が付かないという愚かさ…
また、地図の貼り付け方わかったので、記事の最後に方法を載せておきます。
<備忘録1>
テント装備+カメラ 15kg 水2Lを足して17kg
今回の装備は不要だったと思うものは何もなく、食事や行動食の残量も適量だった。
ザックのみの重量が2.6kgのため、買換えの際には軽量ザックを検討したい。
食事については、山岳会の知人に教えてもらった「うす切りもち」が、大変よかった。
<備忘録2>
Google map を埋め込む方法
①Google mapへアクセス
②埋め込みたい場所を検索
③メニューを開く
④「自分のサイトに埋め込む」をクリック
⑤HTML をコピーして「HTML編集」のソース コード内に貼り付け
ちなみにヤマップの歩行軌跡をGoogle mapに移す方法については、家族に手伝ってもらったりして自分では理解しきれておらず、次回の山行のときに確認と整理をして備忘録に載せようと思います。