2019/6/21
その前に眺望が良いという烏帽子岳に向かうことにした。
登山口でウェルカムフラワー、満開のズミ(酢実)。
空はすでに明るいが、森にさす光はまだ薄い。
昨晩降った雨を身にまとったレンゲツツジ(蓮華躑躅)の姿が妖艶だ。
イワカガミ(岩鏡)の花も、抱えた雨粒が重たそう。
金平糖のようなマイヅルソウ(舞鶴草)の花も、可愛らしい姿を見せている。
たぶん、ウマノアシガタ(馬ノ脚形)。
キンポウゲ科の植物は見わけが難しい。
ミヤマハンショウヅル(深山半鐘蔓)。
咲いていた個体もあったことを後で知ることになり、ちょっと残念。
あちらこちらで花トラップに引っ掛かり、なかなか進めず時間を費やした。
このままでは計画通りに歩けなくなってしまう。
最近よくある気持ちと頭と体が違うベクトルを指すモヤモヤ。
予定の時間はオーバーしていたが、ズミの木の下でザックをおろし石に腰掛けた。
まだ、朝早く他に登山者の姿はない。
おにぎりを口にしながら、ぼんやりしていると
一羽のヤマガラがすぐ近くまで降りて来て、ちょこまかと動き回っていた。
自分が山で一番したいことは何だろう。
その答えは、やはり写真を撮ることだった。
今日の計画は、ルートを短縮することも可能だ。
計画は遂行できないかもしれない。
でも、気になるものを前に素通りしたくない！
気持ちが吹っ切れた。
気持ちが落ち着くと不思議なもので、いつも以上に鳥発見。
手持ちのレンズは200mmまで。撮影中は何の鳥かわかっていない(笑)
帰宅後、ズームアップ！
これって、もしやウグイス？
囀りはいつも耳にするものの、目にしたのは初めてだ(*´ω｀*)
ワレモコウ(吾亦紅)の葉の先にビーズの縁取りのような水玉。
ミツバツツジやヤマツツジとは違うみたいだ。ムラサキヤシオ(紫八汐)かな？
まさかここで高山植物の女王に会えるとは！
コマクサ(駒草)。
小烏帽子岳から広がる景色に、さらに驚きの声をあげる。
烏帽子岳からはいったいどんな景色が見えるんだろう…
雲がその景色を隠してしまう前にと気が焦る。
そんな私を「ここにもいるよ」とハクサンチドリ(白山千鳥)が引き留める。
烏帽子岳からの景色は、やはり最高だった。
妙高山をはじめとする頸城山塊。
よく烏帽子岳に登るという御夫婦に教わった双耳峰の鹿島槍ヶ岳も確認。
もっと空気が澄んだ季節なら、雪を抱いた北アルプスの堂々たる姿が見られることだろう。
今年になって初めましてのゴゼンタチバナ(御前橘)。
カメラがM３になって、鳥の撮影はよくなった。
まだ慣れないけれど、何とかしようとモチベーションがあがる。
この子は、ルリビタキの女の子？
ツガザクラ(栂桜)の中に咲くイワカガミが差し色を効かせる。
湯ノ丸山に着くころには計画より30分遅れぐらいまで戻せたので
鍋蓋山までは行かず、角間山まで足を延ばすことにした。
振り返ると、湯ノ丸の北峰が見えた。
谷川馬蹄形のアップダウンをイメージして計画を立て、全てを遂行することはできなかったが
今日の山行には満足だった。
やっと自分のベクトルがひとつの方向をむいた気がする。
今日は行けなかった鍋蓋山も、その先に見える村上山も
また、挑戦すればいい。
だからリベンジではなく、リトライ。
今日は今日の景色。
まるで咲き始めた薔薇のようなコメツガの球果(まつぼっくり)の赤ちゃんにも会えたし。
角間山から今日歩いた峰々を見渡す。
森に差し込む光を浴びるレンゲツツジ。
深緑色の森の中で、ズミの花が光り輝く。
こんな景色を見せられたら、写真を撮らずにいられない。
ツマトリソウ(端取草)。
なかなか思うように撮れなくて、ここにきてやっと気に入った被写体に出会えた。
牧場の入口で、アイイロニワゼキショウ(藍色庭石菖)。
牧場を抜けるルートで、湯ノ丸のレンゲ平へ。
コンコン平から湯ノ丸山頂を振り返る。
下山するにしたがって花が開いてゆく。
アマドコロ(甘野老)の流線形の花枝からランプのようについた蕾が美しい。
麓では、くつろぐ牛たち。
赤城の新坂平では数年前より牛の放牧をしなくなり、少しさみしい。
湯ノ丸では、この光景が続くといいなと思う。
ちなみに赤城では「ひつじのショーン」たちが頑張っている。
＜今日のルート＞
