2020/3/21
獅子ヶ鼻の前日、長男と写真を撮りに出かけた。
長男に彼女ができてからというもの、あまり一緒に出掛けなくなったが
桐生の梅田にミツマタが群生するという場所は
私のデリカで行くにはかなり道が細く
デートの下見に行かないかという誘い文句で
ミラージュと長男の運転を手に入れた。
桐生は大学時代に写真部の活動でよく訪れた街だ。
学年は違ったが同じ46年生まれということで
飲み会ともなると何となく一緒にいるメンバーがいた。
ひとりは30代目前に
ひとりは震災後に
星になってしまった。
あいつのアパート、この辺だったな…
桐生を訪れると、心がどこか落ち着かない。
記憶の中の彼らは20代のままだ。
自分だけが歳をとっているような変な気持ち。
お前ら、ずるいなぁ…
車窓から流れる街並みを見ながら
声にならない会話をした。
昨年の台風の影響で崖崩れした道路は通行止めとなっていて
根本山登山口に車を停め、群生地まで徒歩で40分ほど車道を進んだ。
この道で合っているのか不安に思い始めるころ
車道下に想像を遥かに上回る規模の群生が目に飛び込んできた。
写真より実際はもう少し白っぽく
見頃は1週間前だったかもしれない。
ここはさすがにデートはなぁとぼやく長男。
そういえば、そんな話で彼をひっぱり出したんだっけ(笑)
前橋に帰りながら岩宿のカタクリ群生地へ
夫は満開にはまだ早いんじゃないかと言っていたけど
今回ばかりは私の読みがあたったようだ。
後日、夫も撮影に行ったらしいが
寒さでみな花びらを閉じていたそうだ。
ということは、長い期間見頃を楽しめるだろう。
今が見頃と咲く花も
枯れゆく花も
美しい。
彼らの分までと言うのは
あまりにもおこがましいが
これから自分がどう枯れていくか
ニヤニヤしながら見ていてほしい。