赤城のふもとから山歩き

赤城のふもとに居をかまえ、山や花や家族のこと。

赤城 初秋の黒檜山から覚満淵を歩く

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しばらく黒檜に登っていないことに気づくと、もう恋しくてたまらない。

ヤエル・ナイムの曲を聴きながら、赤城に向かって車をはしらせる。

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苔むした森に時折光が差し込む。その儚げな「移ろい」が好きだ。

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可憐な姿のイワオトギリ。

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赤城山にも秋は訪れていた。黒檜山頂で昼食を済ませ、駒ケ岳に進む。

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駒ケ岳登山口に向かって普段は鉄の階段を下りるが、今日は覚満淵に下りるサブルートを進む。

静かな登山道だ。鳥たちのさえずりだけが響いていた。

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覚満淵はすっかり秋の装いだ。すすきの穂が風で揺れている。

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覚満淵から黒檜登山口駐車場までは車道歩き。その道端で初めて出会う花。

自宅に戻って調べたところ、カリガネソウという秋の花らしい。

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<今日のルート>

黒檜登山口10:26~猫岩10:40~黒檜山頂11:40~展望台11:45/12:23~駒ケ岳13:04~分岐13:20~サブルート~鳥居峠13:45/14:02~覚満淵~車道歩き~黒檜登山口駐車場14:55

台風一過、大展望広がる谷川岳

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これでもかというほど次々に襲来した台風も、どうやらやっと一息。台風一過の青空が見たくて、友人を誘って谷川岳へ向かう。

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天神平から見上げた山頂は雲の中。予報では、山頂の天気は昼頃から良くなるという。流れは速いが、西にはまだかなりの雲が残っていた。

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登山道は台風の影響も感じられず、笹刈りされたばかりで歩きやすかった。2時間弱で肩の小屋に到着した時には、まさに雲の中。真っ白の景色。風も少し強く、ザックからフリースを引っ張り出して、慌ただしく着込んだ。

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スープパスタとパンを食べながら、この後の計画を話し合う。雲の切れ間から時折景色が見え隠れ…「やっぱり、オキの耳まで行ってみよう」友人のこの言葉に感謝しなくてはならない。

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トマの耳からオキの耳に進む頃から様子が変わり始めた。雲が少しずつ取れ、遠くの山々が姿を現し始める。風が落ち着き始め、太陽が景色に光を与える。

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気がつけば、360度の大展望が広がっていた。谷川岳に訪れるのは4回目だが、こんな景色は初めてだ。

コーヒーを淹れ、友人と景色を満喫する。山頂にいる誰もが幸せな笑顔をしている。トマの耳にいる人達の歓声まで聞こえてきそうだ。

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今日は花の撮影もしないと決め、ギリギリの時間まで山頂で過ごした。いよいよ離れなくてはと下山を開始するも、後ろ髪をひかれる。離れがたい。

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水上の町を眺めながら下山。登りでは雲に隠れていた景色を楽しむ。

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斜面の笹が風で波うち、流れる雲の影がその上を走っていく。

山の頂の景色もいいが、私はこんな風景も好きだ。

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これから迎える錦の景色も、きっと素晴らしいだろう。

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天神平に下山して振り返れば、先ほどまで立っていた双耳の頂が見えた。

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<今日のルート>

天神平9:45~熊穴沢避難小屋10:23/10:30~天狗の留まり場11:00~肩の小屋11:38/12:18~トマの耳12:25/12:35~オキの耳12:55/13:40~トマの耳14:00~天狗の留まり場14:25~熊穴沢避難小屋14:45~天神平15:25

谷川岳ロープウェイ往復乗車券 2,060円

駐車料金500円/1日

雄大な浅間山を望む黒斑山

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夏休みも残りわずか…再びやってくる台風を前に、今日は次男と黒斑山へ。

雲は多いが、流れも速い。

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次男は時々参加する赤城山のボランティア活動が好きだ。笹刈りや鹿からの防護ネット張り…活動の中でいろいろな話を聞けるのも楽しいらしい。

一緒に歩きながら、その活動のおりに聞いた「60年に1度しか咲かない笹の花」を見てみたいのだと話してくれた。「一生のうちに1度見られるかどうかって花なんだってさ」そう興奮気味に話す姿を見て、いつも兄に押され気味の次男との会話が新鮮で、嬉しかった。

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ゴゼンタチバナの実も、赤く熟し始めた。 

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ミヤマアキノキリンソウ(コガネギク)

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予想はしていたが、山頂から見えるのは時折のぞく青空だけ。

カップ麺でお昼にした。暑い時期はお湯を沸かす気にもならなかったが、秋風が吹き始めた山で食べるそれは、やはり格別だ。

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先週の浅間隠山に続き浅間山は見られそうにないと下山を開始。「トーミの頭」が雲の中から姿を現す様子を撮影していると、次男が私に問いかける…

「ってことは、あれは浅間山?」

「?!」 

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その言葉に驚き、振り返ると浅間山が雄大な姿を現していた。

慌ててカメラの向きを変えシャッターを切るが、ファインダーに何やら黒い影が動いている。レンズを確認しても姿がない。

もしやと思いレンズを外してみると、1mmにもみたない虫がカメラの中にいた。

再びレンズを装着した時には、既に浅間山は雲の中に消えていくところだった。

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イワインチンにトリカブト …黒斑山は花も豊富だ。

帰りに花の写真が撮りたいと言っていた私を、次男がその場所を覚えていて案内してくれた。 

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往路では視界がきかなかったトーミの頭から町を見下ろし、中コースで下山を再開。

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中コースは表コースと全く違った表情だ。苔むした森の中に時折日が差し込み、美しい。

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森をぬけると視界が広がり、水ノ塔山、篭ノ登山が真正面に見える。

自然観察センターで下山後、フィールドスコープで登っている人の姿をみせてもらった。行ってみたい山は増えるばかりだ。 

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実が鈴なりのシラタマノキ。

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黒斑山に来たらキャベツソフト…と思っていたが、あいにくカフェがお休み。

高原ホテルでキャベツ色のキウイのソフトを食べてみる。甘酸っぱく、さっぱりしていて美味しい。

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のんびり屋の次男に時々イライラしてしまうこともあるが、今日1日一緒にいて彼は周りの人に対してもおおらかなんだと思った。普段から年配の方に好かれるのも頷ける。

長所は短所で、短所は長所か…

「今日は楽しかったな」満足そうな彼の横顔に「お母さんも」と応えた。 

 <今日のルート>

自然観察センター駐車場10:45~避難小屋11:45~トーミの頭12:06~黒斑山頂12:20/12:58~浅間山出現~トーミの頭13:20~中コース分岐13:35~登山口14:25 

榛名 伊香保森林公園(雌岳)

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久しぶりに榛名の相馬山に登ろうとやってきたが、駐車場についた時には相馬山がまさに雲に飲み込まれるところだった。展望が期待できないなら森の散策をしようと伊香保森林公園まで車で下りる。

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管理小屋でコース案内のプリントをもらい、まずは雄岳を目指す。もみじ広場を抜け分岐地点まで来ると何やらロープが張って注意書きがしてあった。

雄岳登山道 通行止

雄岳登山道の八合目付近で岸壁が崩れ危険な状態であるため、七合目の分岐付近から、オンマ谷風穴から雄岳へ続く道の入口付近まで通行止めになっています。※雌岳には登頂できます。

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のんびり花の写真を撮りながら、雌岳だけ登って軽く一回りしてこようと決めた。

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赤城で咲いていたタマガワホトトギスを見つける。

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雌岳山頂は、予想以上に眺望が良かった。赤城は既に雲の中。

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冬の間よく登った水沢山。

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子持山と小野子三山。そして、息子達がお世話になっているスケートリンク

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ここでもレンゲショウマに出会えた。もう咲き終わりだ。来夏は、もう少し早く会いにこよう。

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 <今日のルート>

管理小屋9:50~七合目~雌岳11:00/11:54~避難小屋12:07~オンマ谷への分岐12:27~つつじが峰への分岐12:32~むし湯跡12:50~もみじ広場~管理小屋13:05

※雌岳に向かう階段は非常に滑りやすいので注意が必要。

二度上峠から登る浅間隠山

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目が覚めて、窓の外に目をやると快晴の空。まて、まて、台風はどこへ?

次男を合宿先である嬬恋に迎えに行く予定だが、午前中なら山に行けるのではないか?

あたふたと寝床から抜け出し、地図を広げる。

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浅間隠山なら少し余裕を持って登れそうだ。急いで登山計画を立て、友人達と海水浴の約束が中止になった長男を誘い、慌ただしく車を発進させた。

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登山口でキツリフネソウが群れて咲き、久しぶりの山歩きに心が躍る。自生するレンゲショウマも初めて見ることができた。

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「山頂からの浅間山をどーーーん」と期待していたが、雲で姿を隠している。しかし、キンミズヒキマツムシソウが咲き乱れ、急登の疲れを癒してくれた。

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時間の経過とともに雲が増える。他の登山者たちも期待の展望が見られず残念そうだ。しかし、次々とやってくる台風の合間をぬって今日登山できたことだけでも嬉しい。

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ワレモコウの姿に、秋の気配。

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いくら待っても浅間山は姿を現しそうにはない。下山しながら花の撮影をしようと、早々に頂上を後にした。

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地図の上では1本の登山道だが、実際には何度も道が分かれている。 分かれては合流し、また分かれては合流し…といった感じだ。正規のルートがどれなのか判別も難しい。

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特に「山と高原地図」の注意書きにあるように高倉山方面へ迷いこみやすい。私達も間違えそうになり、修正した。下山時には注意が必要だ。

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やはり山頂からの浅間山が見られなかったのは、心残りだ。もう少し空気の澄んだ秋にでも、また来てみよう。

<今日のルート>

二度上峠登山口9:25~尾根9:45~浅間隠山山頂10:36/10:55~二度上峠登山口12:04

前橋市街地 廣瀬川散歩

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次男を合宿先である嬬恋に送って帰宅すると、既に午後2時を回っていた。買い物を済ませスーパーを出ると青空が広がっている。山に行くには遅すぎたが、このまま家に引きこもってはもったいない。カメラを持って、散歩に出かけた。

強い日差しを避けるように、萩原朔太郎が詠んだ「廣瀬川」沿いを歩く。 

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「廣瀬川」 

  廣瀬川白く流れたり

  時さればみな幻想は消えゆかん。

  われの生涯(らいふ)を釣らんとして

  過去の日川邊に糸をたれしが

  ああかの幸福は遠きにすぎさり

  ちいさき魚は眼にもとまらず。

               萩原朔太郎 

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大学の写真部で貸し出されたNikonのFM2が嬉しくて、今日のようにカメラを片手に気の向くまま歩いては写真を撮っていた。

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フィルムが主流だった学生時代は時間はあってもお金がなくて、1枚1枚画角や露出を一生懸命考えてシャッターを切っていた。夏休みなどは中古の軽自動車に布団とカセットコンロを積んで、車中泊や友人の実家、高校時代の友人の下宿先に泊めてもらいながら北陸や東北方面を放浪していた。

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だからだろう…今でもひとりで行動することに何のためらいもない。

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人気度ランキングでは常に低い群馬だが、ゆったりとしていて住みやすい処だ。城下町だった県庁周辺は古い家屋も残っていて、散歩をしていても飽きることがない。  

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前橋公園を抜け、利根川へ。

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山に行くには恨めしい台風も、過ぎた後の空は澄み、雲は表情が豊かだ。 

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学生時代から20年以上飼っていた猫を亡くして少し距離をおいていたが、やはり散歩の途中で猫に出会うとテンションが上がる。

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君は美人だね。

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実は映画やドラマの撮影場所になることも多い前橋。「そして父になる」の電気屋さん、「クラーマーズハイ」のカレー屋さん…なかなか味わい深い街だ。