友人が新聞で見つけた雪山ハイキング。女三人で申し込んだ。スノーシューで林の中を散策か…と想像しながら、結局念のためと通常の登山用具をザックに詰め込む。
集合場所に到着すると、雪質からスノーシューは向かないので10本アイゼンを着けて雪山トレッキングを…と説明を受ける。自然相手。変更はつきものだ。
リフトを2本乗継ぎ、これから向かう先を目の当たりにする。細い稜線が好奇心と恐怖心を天秤にかけている。
日に焼けた肌に深い皺を刻んだガイドが春山の気まぐれな天気を説明してくれた。春山に事故が多いのもうなずける。雲は刻々と変化し、雪で覆われた見せかけの大地には亀裂が走っていた。
雑誌で取り上げられてから人気の雪山となっているらしい。登山者が黙々と山の頂を目指していた。私たちが引き返す剣ヶ峰の先へと通り過ぎていく。
下山で初めてザイルを経験した。1本のロープが前の人から私を経由し次の人へ。一体化する安心感と不安感。不思議な感覚。
途中からガイドの導きでトレースから外れパウダースノーの林へと向かう。シラビソの木の下で雪のテーブルとベンチ。サンドイッチを作ってランチとなった。
山で頂を目指すこと…それも素晴らしい。しかし、山での時間を楽しむこと…それもまた、素晴らしい。
そして人もきっと、同じ。
<今日のルート>
川場スキー場ロッジ9:00集合~アイゼン装着練習~リフト2本乗継~登山口10:15~剣ヶ峰11:10~林間散策・昼食~リフト2本乗継~スキー場ロッジ14:00頃