2020/8/9~8/10
去年の馬蹄形縦走を終えて次は主脈と思っていたものの
今年は無理じゃないかと思っていた。
アヤちゃんと話をしているうちに
カマボコ避難小屋に一緒に泊まろうかと盛り上がり
あれよあれよと計画は練りあがり
気がつけば実行に移していた。
一番の心配だった宿泊装備で西黒尾根を無事に上がり
肩ノ小屋の脇に立つ。
ここからは、今まで何度も憧れた主脈稜線ルート!
分水嶺らしい姿。
その谷へ向かってぐっと降りていく中ゴー尾根。
ガスの切れ間から時折姿を現す稜線に歓喜の声をあげる。
谷川岳からいつも恐竜の背中みたいだと思って見ていた場所。
折り重なり延びてゆく美しい谷。
大障子避難小屋で夜中に目が覚めると
いったい風速何mなんだと思わせるような爆風の音。
明日は歩けるのだろうか不安で何度も目が覚める。
夜明けを待って外に出てみる。
実際には拍子抜けするほど気持ちの良いそよ風が吹いていた。
空がみるみるうちにオレンジ色に染まっていく。
街も目覚めだしたようだ。
昨日、歩いてきた道。
さぁ、歩き出そう。
大障子ノ頭へ登っていくと
オジカ沢ノ頭に隠れていた双耳の谷川岳が顔をのぞかせた。
笹がベルベットのように谷を覆い
その深い緑の濃淡に光が表情を与える。
光と朝靄が創り出す空気は、神々しい。
馬蹄形よりもアップダウンは緩やかのように感じたが
このエビス大黒と仙ノ倉は別格。
まるで南アルプスの山塊を思い出させる圧倒的な大きさだ。
主脈縦走も終盤。
歩いてきた稜線を振り返る。
山と高原地図を何度指でなぞっただろうか。
今、その上を自分が歩いている。
それにしても、歩けども歩けどもなかなか近づかない(笑)
人間が蟻のように小さな存在に感じる。
その蟻が確実に進んでいく強さも感じる。
ここを登り切れば…終わってしまう。
込み上げる達成感と喪失感。
仙ノ倉から平標は登山客で賑わっていた。
暑さと湿度で現実の世界に引き戻される。
ブログを書いているこの瞬間でさえ
自分は本当に主脈を縦走したんだろうか
あれは夢だったんじゃないかと思ってしまう。
いや、全身の筋肉痛が行った証のように残っている。
<今日のルート>