絶句する景色を、久しぶりに見た気がする。
それは、ドラマティックな演出も影響していたのだろう。
山を歩く人ならば、谷川の馬蹄形を一度は耳にしたことがあるのではないだろうか。
谷川岳の賑やかさとは正反対に、3連休の最終日とあっても訪れる人は決して多くはない。登り始めから山頂まで急登に次ぐ急登。ここは、ハイキング気分では登れない場所だ。
駐車場から曇っていた。
カメラバックごとザックに詰め込み、ガスで展望のきかない急登を黙々と歩く。
昼頃に晴れ間がのぞく…そんな天気予報だった。
松ノ木沢之頭辺りで徐々に雲が切れ始め、雲海の中から谷川岳が顔を覗かせた。
ほどなくして、鳥たちがさえずりはじめる…晴れる!確信に変わった。
天空の幕がゆっくりと開かれる…
…息をのんだ。
ナ・ニ・モ・イ・エ・ナ・イ
帰路はカメラを持ち出して、ゆっくり下った。
雲の切れ間から谷川岳の雄大な姿。
次はロープウェイを使わずに、西黒尾根から登ってみたいと思う。
一の倉沢…かっこいいけど、ここを登ることはないだろう(笑)
白毛門に登ること…それは、今年の目標の一つだった。
しかし、そこはゴールのようでゴールではなく、スタートに立った気分だ。
そう、白毛門の先に続く笠ヶ岳、朝日岳。ゆくゆくは馬蹄形を回ってみたい…
行きは見られなかったジジ岩、ババ岩。
開かれた天空の幕は、徐々に雲が増え始め、演出を終えようとしている。
しかし、曇れば曇ったで紅葉の色は深さを増し美しくなり、結局カメラを手にした私の歩みは遅々として進まない。
聞きしに勝る急登であったが、まずは笠ヶ岳まで足を延ばしに、必ず、また訪れたいと思う。
<今日のルート>
前橋5:00~土合橋前駐車場6:30/6:45~松ノ木沢ノ頭8:40~白毛門山頂9:35/10:05~松ノ木沢ノ頭11:05~駐車場13:00
土合橋前駐車場にはトイレなし。土合駅のトイレを借りた。