赤城のふもとから山歩き

赤城のふもとに居をかまえ、山や花や家族のこと。

那須連峰 那珂川中ノ沢遡行

2023/8/26

 

 

山の会に入会して、女の子として扱われることに戸惑っていた。

50も過ぎ、人生も山もそれなりに経験してきたので

さすがにそれを嬉しいとは正直思えないのである。

入会する際に、謙虚に一から学ばせていただこうと思った気持ちは

今も変わらず思っていることなのだが

常々、夫から自立しなさいと言われ続けた私にとって

それは、何ともいえないむずがゆさを感じてしまうのだ。

 

 

 

 

ツネちゃんとふたりで沢に行こうと計画した。

沢登りは無理でも、沢歩きなら行ける沢はあるはずだ。

ウォーターウォーキング2という本に載っている沢の中から

那須那珂川中ノ沢を選んだ。

私も未経験の沢だったが、地形図と遡行図から

滑床と小滝からなる癒しの歩き沢だと判断したからだ。

トモゾウさんにも相談した。

大丈夫。行けるよ!ガンバ!

ビビりで徹底的に下調べをしても不安な自分の背中を押してもらう。

 

 

 

 

会の承認は、条件付きで下りた。

心配だと言われた。

正直、悔しかった。

もし、自分が男だったら…つい、そう考えてしまう。

行けるのか?女ふたりでって言われている気がして。

この地形図と遡行図のいったいどこで何が起きたらそんな想定になるのか

と言いたくなるほど、あれこれと質問と注意がされる。

もう、いいやと心が折れそうに何度もなった。

そんな時、トモゾウさんが頑張れってエールをくれた。

味方になって応援してくれる人がいる。

はじめの一歩なんだ。

逆風は当然だ。

今、踏み出さなければ何も変わらない。

 

 

 

 

大好きな山や沢のことで

心がささくれるのはいやなんだ…

心配してくれる人がいる。

ありがたいことだ。

頑張れって背中を押してくれる人がいる。

思いっきり楽しんで応えよう。

 

 

 

 

中ノ沢は滑床が続く美しい沢だった。

この数日の悩みがすっと流されてゆく。

ツネちゃんが嬉しそうに笑っている。

あぁ、よかった。

ここに来て、本当に良かった。

 

 

 

 

下山して、温泉に入り

イタリアンのお店で生パスタを食べた。

帰りの車でトークに花が咲く。

達成感が蘇る。

ふたりで行けた。

一歩を踏み出せた。

 

 

 

 

トモゾウさんに下山の連絡を入れる。

ナイス JJ

お疲れ様でした

 

 

心配してくれた仲間に

背中を押してくれた仲間に

自分を信じてついてきてくれたツネちゃんに

そんな自分たちを優しく迎えてくれた中ノ沢

 

感謝!

 

 

 

 

 

<今日のルート>