赤城のふもとから山歩き

赤城のふもとに居をかまえ、山や花や家族のこと。

迷えるaround50

 

所属する山の会に、とても面白い研究をしている方がいる。

世の中が近年騒ぎ出したことを、もう何年も前から研究なさっているのだ。

以前、乗り合わせて移動する際の車中で

その研究についてや、そのご苦労を聞かせていただいた。

私は何事もその道に長けている研究者や職人さん、マニアな方の話を聞くのが好きだ。

ちなみに、「マツコの知らない世界」は深夜にやっていた時の方が個人的に面白かった。

 

 

 

 

また、その続きが聞きたいなぁと思いつつも

なかなかそのチャンスは訪れず…

 

所属する山の会の夏合宿。

ハイキングやクライミングとそれぞれの山行を楽しんだ後

キャンプ場で食事会&飲み会。

もう宴も終わりかなというタイミングで

今聞かなきゃ、たぶんチャンスはないと

臆病な心をアルコールエンジンでふかして

Sさん、アカデミックの話が聞きたいです!と唐突に話しかけたのだけれど

そんな私としばらくおしゃべりしてくださった。

 

 

 

 

Sさんは、悩んでいた。

でも、その話を聞いて驚くよりもやっぱりと思う方が大きかった。

研究分野と今の環境が乖離してるなぁと勝手に思っていたからだ。

山で垣間見るSさんの研究者としての顔は本当に楽しそうなんだけどな。

 

以前に話を聞いてから、それに関係するニュースに目が留まるようになった。

特に地方紙にはよく載っている。

こんなに世の中でその問題が起きているのに

自分の研究となかなか結び付かないもどかしさなのだろうか。

テレビで解説者として様々な専門家が登場するけれど

彼らはきっと自分の見せ方や売り込み方も上手いのだ。

 

 

 

 

ふと、Sさんの目指す終了点はどこなのだろうと思う。

研究そのものは、これから必ず必要とされるものだから続いていくのだろうけれど

Sさん自身の研究や人生における終了点はどこなのだろうかと。

もしかしたら、彼の悩みの根源はそこなのかもしれない。

50近くになって、ふと自分の人生を振り返り何処にたどり着くのかと。

 

 

 

 

私の父は66歳で亡くなったので

私もあと10年くらいだろうかと思うことがある。

山についても、いつかと思っているだけでは行けなくなるかもなと感じる。

先日も、山行計画の承認について理解を得たい件があったのだけれど

そんなことに時間や労力をかけるより

自分がとっととスキルをあげて

条件に自分を合わせて行った方が早いと思いなおした。

だって10年って、結構あっという間。

 

だからこそもう一度、その分野でやってみたいと思う仕事がある。

結婚し家庭を守ってきたことに誇りはあるし、後悔もない。

これまでの仕事はもっと現実的なものだった。

夫の会社の経理だったり、子供たちの教育費に充てるためのパートだったり。

しかし、来春長男が就職して経済的に自立することが決まり

自分の仕事を振り返ったときに、やりたいことは別の場所だった。

その専門職を、今さら自分にできるだろうかと不安もある。

そして、それは私自身が生まれつき長年抱えてきた問題でもあり

仕事をすれば、それと対峙しなければならなくなるだろう。

だが、当事者だからこそやれることも大きい仕事なのではないかとも思う。

 

趣味ではなく仕事となると、なかなか決心できないもんだな。

 

帰宅した夫に相談してみた。

こんな時、彼は真面目にちゃんと話を聞いてくれ

自分はいい人と結婚したなと思う。

最近、急に弱々しくなった義父の今後の心配はあるものの

会社の仕事はどうにかなるから、まずは見学に行ってみたらと背中を押してくれた。

それでも今回は、なかなか1歩が踏み出せない。

 

迷えるSさんに影響されて

すっかり自分が迷えるアラフィフになっていた。

さて、如何にしたものか。

 

やってみるかぁ…うーん。

 

ちなみに合宿中にSさんから指摘された

マダニの顎が背中に刺さったままかもしれない問題は

皮膚科で切開手術となり無事除去された…

ほんとに何でも知ってるな(*_*)

 

 

 

<今日のルート>